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アメリカ教育学会設立趣意書

 我々は、アメリカ合衆国の教育に関する研究とその発展を図り、会員相互の交流・研究協力の促進を目的として本学会を設立する。

 日本とアメリカは、歴史上、政治・経済・文化等あらゆる領域で最も重要な関係を保ち続けてきた。中でも、教育は大きな位置を占め、あらゆる分野における理論的・実践的側面で、日本はアメリカから多大な影響を受けてきた。同時に、近年は、日本の教育やそれに関する研究がアメリカから注目を浴びるという相互の影響関係が見られるようになってきている。こうした関係は、今後も両国の教育研究・実践にとって大きな意味を持つことは疑い得ない。

 我々が重視するのは、アメリカの教育が、その根底に民主主義の思想を据えてきたという点である。望ましい民主主義社会の構築と、将来その社会を担う人間の育成に資する教育の研究及び実践が豊かに展開されてきたところから、アメリカの教育から日本が学ぶべきことは今後も尽きることはない。こうした意味において、民主主義社会の理念を共有しつつ、両国の研究者が相互に協力し、さらに充実した研究・教育活動の進展を目指す組織を持つ意義はきわめて大きいと考える。

 我々は、こうした趣旨に鑑み、アメリカの教育に関する専門的・学問的知見を結集し、その知見を広く公にすることを旨として設立した学術団体を継続的に運営することを目指す。その上で、世界的視野を持ち、アメリカの教育研究を、一層深めていく決意をここに表明し、今後多くの同学の士を得て、研究活動の充実を図ることを宣言する。

1989年12月16日
アメリカ教育学会理事・会員一同
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